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魂で奏でる音 [音楽]

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大阪にある、「いずみホール」というところは、クラシックのコンサート専用のホールです。
パイプオルガンがあって、なんとも荘厳な雰囲気のする素敵なホールでした。

ここに、先日、辻井伸行さんのピアノだけのプレミアムリサイタルに行ってきました。
辻井さんのチケットはなかなか取れないのですが、運よく取れて、なんと、前から3列目でしたので、
指の動き等がとてもハッキリ見えました。

辻井さんはもともと難曲を弾きこなすピアニストさんなのですが、この日の演目もショパンとリストで、ともにあまり知られていない長編で、ショパンは有名な「葬送行進曲」を弾いてくれましたが、これは第三楽章であって、実際は「ピアノ・ソナタ第二番変ロ短調 作品35 葬送」という、四楽章からなる22分の曲だったんだと初めて知りました。

もう、最初から最後まで常に指がまるでピアノにくっついているかのようにずっと高速回転で動いていて、彼はご存じのとおり、譜面は見えませんので、耳で聴いたものを自分の中で組み立てて心の目で弾いているのだと思いますが、そのせいか、何とも言えない優しい音色で、強く弾く部分もあるのですが、それもまた柔らかいタッチで、一音一音を大切に弾いている感じがしました。

弾き終えたあと、退場する際に本当に嬉しそうにされているので、ピアノが本当に好きなんだなというのが伝わってきました。

圧巻はリストの「ピアノ・ソナタ ロ短調」で、30分間なんと、ぶっ通しで弾き続けたことです。
リストなのでもう、超難曲ですから、延々高速回転が続くわけです。
なんだかもう、辻井さん自体がピアノでした。

で、何よりよかったのが、お客様がみなさんそれこそ咳払い一つもしないかのような静けさを保ちながら、
真剣に聴き入っているのが雰囲気でわかったことで、辻井さんにもそのことが伝わったようで、最後に
「お客さんがみなさん真剣に聴いてくださったので、とても弾きやすかったです」とおっしゃって、アンコールに
みんながよく知っている、浅田真央さんが演じたこともあるリストの「愛の夢」と、ショパンの「革命」を弾いてくださって、すごく盛り上がりました。
最後にもう一曲「ノクターン」も弾いてくださいました。
テクニックの必要な難しい曲が今回は割と多かったですが、静かな曲が辻井さんには似合うかなという気がしました。
穏やかで、それでいて完璧さを追及する乙女座の辻井さんの魂の音でした。

クラシックは何度か聴いていますが、ホントに息をするのもはばかられるぐらいの静けさの中で、まさに
「音を愛でる」という感じでした。

辻井さんの奏でる音は本当に優しかったです。

日ごろのイライラが吹っ飛ぶような一日でした。

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コメント 8

風雅舞

辻井さんのコンサートに行ったのですね!よかったでしょう!私も2度経験できました。本当に音が暖かく柔らかいですよね。
by 風雅舞 (2015-07-28 08:34) 

YOKY

sako先生、お久しぶりです。
めちゃくちゃ久しぶりにブログ開けました(汗)

辻井さんのリサイタル行かれたなんて、なんてうらやましい!!!

CDとかユーチューブで見てるだけで、鳥肌たつのに、実際に3列目って。
そりゃあ、息をするのもはばかれるかも、ですね。

感動をシェアしてくださりありがとうございます!!

私もタイミングが合えば、いつかどこかで行きたいな~。
by YOKY (2015-07-28 10:00) 

すずらん

先生、こんにちは。

辻井さんのピアノリサイタルを、クラシック専用のホールで聴かれたなんてとてもうらやましいです♪

辻井さんを初めてテレビで知った時に、目が見えないのにピアノを弾きこなせるなんて何て素晴らしいのだろうと思いました。生まれつき目が見えないことは大きなハンディキャップですが、音楽の非凡な才能と愛情溢れるご両親、そして才能を開花させるために必要な金銭に恵まれた方だと思います。

そして大変失礼な言い方かもしれませんが、目が見えないことで晴眼者の私達には表せない音色や、繊細に音を捉えること等ができるのではないかとも思います。

コンサートは主役は辻井さんのような演奏者や歌い手ですが、観客もコンサートの雰囲気を良くも悪くもさせるので大事な役割を担っていると思います。ですので先生を含めた観客のみなさんが辻井さんの演奏を真剣に聴き入っていたのは、辻井さんもうれしくてとても弾きやすかったと思います。

よいコンサートは辻井さんでも小田さんでもストレスを吹っ飛ばしてくれたり、心を満たしてくれますね。私も辻井さんの音色と小田さんの歌声を聴きに行きたいです♪
by すずらん (2015-07-28 10:31) 

チョコ

素敵な時間を過ごされたのですね。
クラッシックを始め、様々な音楽・芸術は心の栄養に感じられます。
いつかは娘とコンサートへ行くのが夢です。
芸術を愛でる心はありたいものですね(^-^)
by チョコ (2015-07-28 16:12) 

selene

舞さんはさすがですね。何でも芸術は堪能されていますね。
2回も・・・私は金額的にもう一回行けたから満足ですが。
あとはCDで聴こうと思います。今回はピアノだけというのがよかったのです。
by selene (2015-07-30 14:01) 

selene

YOKYさん、ホントにお久しぶりです。私もFBをもうやめているので、あなたのご活躍も見れずにいます。またブログを見に行きますね。
辻井さんは海外にもしょっちゅう行かれるからきっといつかご縁があると思いますよ。
ものすごく贅沢な時間を過ごせて、一瞬でもセレブ気分を味わえました。(笑)自分へのご褒美です。
by selene (2015-07-30 14:03) 

selene

すずらんさん、コメントありがとう。そうなんです。辻井さんは目が見えない分、心で音を感じているから、お客さんの反応によってもやはり感じ方が異なるようで、今回はお客様が本当に真剣だったので、終始笑顔でした。コンサートは演奏者とお客さんが一体感を持つと盛り上がりますね。
小田さんでもそうですが、実は大阪はイマイチ客層が・・・なんだけど、辻井さんの客層は違いました。
小田さんの「東京の空」という曲が挿入歌になっていたドラマ「それでも、生きてゆく」という非常に地味な重たいドラマの音楽監修を辻井さんがしていたのもあって、いつか小田さんと辻井さんのコラボなどないものかと思っていますが、あったら絶対に行きたいです。
by selene (2015-07-30 14:06) 

selene

チョコさん、コメントありがとう。お嬢さんはおいくつなのですか?
この日も、ピアノを習っているであろう娘さんを連れたお母さんがたくさん来ていましたが皆さんさすがにお行儀がよかったです。
クラシックは上質な音楽ですし、やはりこういう音楽を聴かせるという情操教育は、お子さんの行儀にも影響しますね。
芸術を愛でる気持ちは一生失いたくないものですね。
by selene (2015-07-30 14:09) 

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