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望んでいることイコール運命とは違う場合 [占星学]

ホロスコープを作成して観ていくと、努力では変えられない「宿命」(日本人であるとか女性であるとか長女であるなど)と、ある程度は努力することで変えることのできる「運命」とがあります。

宿命に関しては仕方のない事ですが、運命は魂のレベルアップのためのレッスンをいろいろこなしていくことで変わっていく場合があります。

でも、その運命が自ら求めているものとは異なっている場合というのが意外とあるものです。

ハタから観れば実に恵まれているように見える人、成功している人でも、その人の本当に望んでいることは全く違う場合があります。
女性の場合特にお金にも恵まれていて、仕事でも成功を収めているような人が結構いますが、なぜかご本人は幸福感を得られないと悩んでいます。

望んでいることというのは11ハウスの状態などから観る事ができますが、その他はソフトアスペクトによってもともと持っている良い暗示の惑星群をいかにして使っていくかということが大事になってきます。
そういう人の場合、やはり女性としての幸せは愛する人と一緒にいて普通に生活できることが希望だったりしますが、概ね離婚していたり、恋人がいなかったり、女性としての一般的な愛情運にはあまり恵まれていないことが多々あります。

ずっと懇意にしているクライアントさんで、金運はもう、今まで観たチャートの中でも五本の指に入るぐらいのすばらしさで、経営者としても成功している方がいますが、愛情運だけがどうもあまり恵まれていません。でもご本人の希望は愛されること、つまり11ハウス的なことなのですが、11ハウスの主星の金星が12ハウスにあり、さらに結婚を示す7ハウスの主星水星も12ハウスにあるため、離婚していますしその後も恋愛はするものの、どうもうまくいかないのです。
この方の場合本来、5ハウスの主星火星が1ハウスなのでもっと自分から積極的に好きになった人に対して行動すればきっとうまくいくのに、プライドの高さゆえか、絶対に自分からは言い寄らないと言い張ります。確かにきれいな人なので男性からオファーは多いのですが、自分からは行動せず常に相手からの行動を待っているため、結局は男性も彼女の愛情がないんだと思ってあきらめて去っていくケースが多く、去る者は追わない性格も手伝って常に孤独感を味わうことになります。

この方は本当に望んでいることを求めるなら1ハウスの火星をもっと使うべきなのですが、運命的にどうしても仕事や金運のほうが強すぎるため、彼女の財力を当てにするような男性にしか言い寄られないというパターンになってしまうのです。

他にも、本当はただ子供が欲しいだけなのに、子供が授からなかったから仕事をするしかなく、仕事では成功する運命をチャート上も持っているのですが真の希望は子供と幸せな家庭を築くことだったのにとやはり寂しいみたいで、仕事に邁進するしかないという方もいます。

チャートに示された運命が強すぎる場合、なにかを犠牲にしてしまう場合が結構あります。

その運命を享受して今世では自分の願望をかなえることより、運命に従って生きることを覚悟する人もいますが、たいていは願望をかなえようと足掻くケースが多いです。

私自身も本来は家庭がもっと普通に幸せだったら…というのが願望でした。でも、ドラゴンテイルが4ハウスなので、過去世で主婦業はいやほどやっているようで、今世の課題はあくまでも天職を持つ事というように示されているし、さらには人のために何かをするということがチャートのあちこちに描かれているので、どうも自分のために生きる人生は望めないようです。
本来の性格がもっと貞淑だったら、夫や子供のために生きる人生を選択できたのでしょうけど、あいにく自我が強いので、どうしても自分自身を向上させたいという思いがあり、結果的には運命通り天職を持つ事で家庭面では主人や子供に対しては良き妻でも良き母にもなれませんでした。

望んでいることがその通りチャートに運命として出ている人は本当にラッキーだと思います。
人生というのはやはり修業なんだろうなと思います。
そういったカルマを持たないで生まれた人は自分の思い描いた人生を歩めるようで、多分そういう人は占いはあまり必要ないのかもしれません。

その意味では占いというのは、運命と本人の希望とが乖離しているような人が必要とするツールのように思いました。


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