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カエル化現象

カエル化現象とは、心理学用語の一種で、大好きだった人に告白されたり、自分が思いを寄せている人が自分のことを向こうも思ってくれていると気づいた途端に相手のことが嫌になったり、生理的に嫌な部分を見つけたとたんにもうすべてが嫌になってしまうというような現象のことです。

これについての記事があったのですが、私自身はもともと生理的に嫌いなタイプの人のことを好きにならないので、嫌いなタイプの人に好かれることもなければ、一度好きになった人をそういう理由で嫌いにはならないのでわからずにいました。

でも、意外と周りにもいるようで、私の娘が学生時代から本当にそうでした。
中学の時にクラスのある男子のことが好きだと言っていたのに、その子に告白された途端にヒューっと冷めて行ってもう、後はいやでいやでしかたなく、数回デートをしたけれど生理的にも嫌になってすぐに振ってしまいました。
その後も、いいなと思っていた子に告白された途端に冷めるという習癖?はずっと続いていて、高校時代の同級生に告白されてからは全く嫌にならず、それが今の旦那です。

この違いは何なのかと本人に聞いたら、「一緒にいて癒されるかどうか」と言っていました。
中高生の恋愛の多くは内面よりも外見とか、雰囲気とかそういったもので相手のことを好きになる事が多い気がします。だから相手の何かが自分の期待値とずれているともう、「キモイ」という感覚に変わるみたいです。娘のケースだと、今の旦那のことは多分顔ではなく、性格で選んでいるからキモイという発想にはならないのでしょう。

人間関係のすべてに言えることでしょうけど、相手に期待したり、相手のイメージを勝手に自分の理想通りに作り上げて現実と乖離したものになった場合、現実を見たとたんにガラガラ…と音を立てて崩れていくのでしょうけど、まあ勝手な理想像ですから、相手にしてみたらいい迷惑だと思います。

この現象を経験しているのは、告白されることが比較的多い女性、顔面偏差値の高い若い女性に多いかなと思ったりしますが、自己肯定感とも関係があるように思います。

顔がかわいくても自己肯定感の低い女性は意外と多いのです。娘もそうで、正直もてるタイプではあるのですが、本人はモデル体型のような女性に憧れているため、自分のビジュアルはアイドル系なので自信がなく、頭脳明晰でもないためか、自己肯定感は意外と低いのです。
占星学で言うところの2ハウスの自己価値を示すところに凶星(土星・天王星・海王星)が3つも入っているせいでしょう。
こういう場合、付き合った途端、相手に嫌われるのではないかという危機感があるのか、振られる前に振ってしまうという、自分のプライドを守ろうとします。自分が理想化しているような相手が自分のことなど好きになる筈がない、と思っているので、それが現実になってしまうと怖いのです。
もちろん本人はそんなことは意識していないのでしょうけど・・・。

この気持ちは私でもわかります。自分が好意を持っている男性が私なんか好きになってくれるわけはないと思っていますから、一度ちょっと理想化した相手が近づいてくれたことがあり、付き合ったわけではないですが仲良くなれそうな感じがしたにもかかわらず、嫌われるのが怖くてウジウジしてしまい、以前のように自然に会話もできなくなって、結局疎遠になりました。
ただ、私のほうから相手を生理的に嫌になるというようなことは一切なかったですが。

娘は自己肯定感は低めですがビジュアルに自信がないわけではないですから、その辺に矛盾があります。相手にも理想化する分自分自身にも理想とするイメージがかなり高いので、理想とかけ離れている自分自身には満足していないのでしょう。なので学生時代は付き合っては別れ…を繰り返していましたから、そういう「一つの恋が長続きしない自分」に対しても肯定感が低かったのでしょう。

自己肯定感と自信は似ているようで少し違うでしょう。自信というのは例えばビジュアルだったりとか才能だったりといった根拠のあるものに対して自分自身で肯定できることですが、自己肯定感は自分自身を大事だと思うことで、根拠がなくてもあるものです。
娘は確かにビジュアルなどは褒められるので自信はあるでしょう。でも、自分のことを大事だとはあまり感じていないようで、よく「自分を大事にするという仕方がよくわからない」と言います。
不完全で未熟であっても自分は自分だし、自分とつきあっていくのですから、自己肯定感がないとやはりすべてにおいて理由付けがないとうまくいかないということになるのです。

自信があるように見えるのになぜか物事がうまくいかない人がいますが、たいていそういう人は自分自身をあまり大切にしていません。
誰かのために頑張ろうとします。仕事でも周りに評価されたいからとか、恋愛でも自分が好きかどうかよりも相手に好かれるかどうかを重視しています。

なのでこの、カエル化現象も、年とともにいろんな経験値を積むことで、自分と付き合う年月も増えるので、否が応でも自己肯定しなければ生きてはいけませんし、徐々に亡くなっていくのではないかなと考えます。

私ぐらいの年齢になってくると確かに未だに自分の顔も性格も好きかと問われたら全然好きではないですが、じゃあ自分が大事ではないかと言えば自分とつきあうしかないし、大事だとは思います。
自己否定的な部分は年齢とともに減ってきた気もします。

人に対する期待も徐々にしなくなったなと思います。

占星学で言うところの「ベンディングポイント」なるものがありますが、それこそ大好きだった人が突然何らかのことで嫌いになるという現象を指します。
これは男女間だけではなく、同性同士でも言えます。
特に相手の太陽や月をこのポイントに乗せてくる相手に対しては相手の性格のある部分が突然嫌になるのです。(突然と言っても積み重ねた何かがあるとは思いますが)

カエル化現象はこれとちょっと似ているのかなと思いました。

恋愛というのは本当にある意味厄介ですね。「好き」という気持ちが相手の本当の姿でない場合がやはり原因としてあるのでしょう。その人の本質ではなく自分が思い描いた理想像に勝手にその人を投影していて、その人を好きになっている自分が好きだというケースもあると思います。
「若気の至り」というのはまさにそうで、若いころはどうしても自分のできないことをあっさりできてしまうような相手のことを「すごい!」と思ってしまったりします。
でも、それは相手の性格ではないし、たまたまその時にできただけだったりした場合、次の瞬間にできなかったりしたら熱量は一気に冷めるのです。

やはり、恋愛がうまく行く人は相手の内面をちゃんと見ていると思います。そして自分を大事にできるからこそ相手のことも大事にできるのだろうと思います。
「アバタもエクボ」と言いますがアバタはアバタであって決してエクボではないのです。でも、そのアバタも含めて相手を総合的に見て「好き」であるということが本当の愛情なのでしょう。


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