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柔よく剛を制す [占星学]

このことわざは、柔軟なものがかえって固いものを崩すという意味合いで、弱いものが強いものを負かす場合に使われたりしますが、占星学で言うと、文字通り柔軟宮が不動宮を制すという感じになると思います。
柔軟さは人間関係においてやはり重要ですが、不動宮との組み合わせの場合、一番良い形で発揮されるように思うのです。
不動宮は頑固で意志が強いのですが時に融通が利かないという厄介な面もあります。
柔軟宮は文字通り柔軟性に富みますが、悪く出てしまうと優柔不断で流されやすいという場合があるのですが、不動宮のかたくなさを緩めてくれる良いエッセンスになりえるのです。

太陽・月・アセンダントの三点セットが大事であることは常々書いていますが、これらがどの組み合わせになっているかでほぼ、パーソナリティは形成されます。アセンダントは人から見られたい自分自身だったり、人から実際に見られている自分だったりするのでペルソナの役割をしますので、第一印象などに表れやすいですが、太陽と月はやはりその人となりを示すので重要です。

活動宮と柔軟宮の組み合わせになると、割と相反する性質になりがちなので、自我の強さを柔軟宮で抑えることになります。行動がややアンバランスになってしまったり、どちらかというとはっきりした性質の活動宮の動きをあいまいにしてしまう場合のほうが多い気がします。
私がこのパターンで、太陽が活動宮ですが、月とアセンダントは柔軟宮なので、決断力のなさに自分で嫌気がさすことが多いのです。もっと考えずに動きたいのに、妙なブレーキがかかってしまうからです。

柔軟宮同士になるともう、面白いけれどとりとめがないし、無軌道なイメージになるため、重要な場面ではちょっと信用しかねる場合もあります。自分自身はあまり悩まないし気にしないのでしょうけど、人によってはいい加減だと思われるケースもあるかもしれません。

ところが、不動宮との組み合わせはなかなかいいと思います。
特に太陽が不動宮で月が柔軟宮のケースが一番良いように感じます。
意志も強いし責任感もあるし、ぶれないのですが、月が柔らかいので醸し出す表現や態度に嫌味がなく、それでいてちゃんとしている印象を与えるのです。

先日の中居君のジャニーズ事務所を退所するという会見をちらっと見ただけなのですが、もう、各所から称賛されていて、決して悪く言う人はいないようです。
中居君は獅子座でアセンダント牡牛座で結構ぶれない頑固さも確かに持っているとは思いますが、なぜあんなに態度が柔らかいのか・・・月の射手座が非常に効いていると思うのです。
意思はぶれていないし、言っていることも筋が通っていますが、周りを決して不快にさせない対応は見事でした。ウイットに富んだ一面も出しながらもきちんと進行していて、誠実に答えているけれど言えない部分は絶対に言わないとユーモアを交えて断っていましたし、司会者の鑑のような受け答えでした。

あれは、芝居でできることではなく、彼の本質だと思います。
もちろん、結婚に関する部分などは自らも欠落しているからしないと言い切っているし、そういったところには不動宮らしさも感じますが、そういったことすら聞いている方が面白くなってしまうような言い方をしていますから、まさに柔軟性に富んだ会見だったと思います。

一方、謹慎中の宮迫さんなどの会見は芝居がかっていて、観ている人が不快になります。
彼はアセンダントは知らないですが、ライツは活動宮同士なので、自我の強さばかりが目立つのです。
周りのことよりも自分が自分が・・・という印象になります。

活動宮と不動宮の組み合わせになってしまうともう、かなりキャラが濃くなるし、強さが目立ちますのでエネルギーのないときは一緒にいるとしんどくなるケースがあると思います。カリスマ性は最もあるし、大物は多いですが、その分敵も作りやすく、好きか嫌いかに分かれる人が多いかもしれません。

中居君のように、不動宮の太陽の人で、月が柔軟宮の人は概して感じのいい人が多いです。
ただ、これが逆に柔軟宮の太陽に対して不動宮の月になるとやや印象が異なるかもしれません。
前者が「外剛内柔」なら、こちらは「外柔内剛」になります。
前者は「意外と柔軟性があるのね」という印象になるのですが、後者は「意外と頑固なんだね」になりますので・・・。

後者の人は人にどう思われるかはあまり気にしないタイプが多いのですが、太陽の柔軟性をもう少し生かした方が明るさが出ていいと思います。
いずれにしても割と成功している人はこの、柔と剛、占星学で言えば柔軟宮と不動宮の組み合わせが多いように感じました。
もちろん、中居君の場合は太陽獅子座で月が射手座なのでトラインですから、裏表がなく屈託のないキャラクターになるのでしょうけど・・・。
あと、人間関係には金星も重要になってきますが、中居君の金星は蟹座で3ハウスですのでやはり優しさのある会話術をもともと持っているといえますね。
同じ組み合わせでも獅子座で月が魚座だったりするとインコンになるので案外自分では煮え切らない自分が嫌だという方もいそうですが、頑固さが前に出ないので得はすると思います。
水瓶座で月が魚座の方も二人ほど知っていますが、どちらも非常に柔和な方です。私の母のような水瓶座トリプルの強情さを持っているタイプとはまるで違った感じになります。

アスペクトでも、オポジションに対して調停を作る惑星があれば使うとやはりオポジションのきつさをかなり和らげてくれます。
ハードアスペクトがあった場合、それだけにとらわれず、ソフトアスペクトがないかどうかを探すといいし、ない場合も、トランジットやプログレスでソフトアスペクトを形成するような時期を選定したらハードな状況がいささか和らぐと思います。

冥王星と個人天体のハードアスペクトなどは確かにきついので、気にされる方が多いのですが、スクエアだと確かに補うアスペクトを探しづらいけれど、惑星のサインや品位、さらには逆行しているかどうかや、ハウスによっても意味合いが異なるので、何かしら逃げ道はあると思います。

非常にレアですが、柔軟宮が一つもないという人もいます。(私の母も2個しかありませんし、個人天体にはゼロです)
そういう人は確かに強い印象を与えがちでしょうけど、ドラゴンヘッドやリリス、キロンなどの感受点までさかのぼれば案外あったりしますし、柔軟宮のナチュラルハウスである3・6・9・12ハウスつまりキャデントハウスにある場合だと比較的意味合いは弱まります。

ないから使えないのではなく、むしろ意識的に柔軟宮の人と関わったり、柔軟な印象を与えるように意識したりすることが可能なので、鍛錬だとは思います。

中居君の会見を見て、柔らかさとか軽やかさというのはやはりとても周りを和ませるスパイスになるんだなと感じました。
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