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先天運と後天運 [占星学]

すべての「占い」と呼ばれるものには、自分の意思や努力ではどうにも変えられないもの(先天運)と、努力によって変えられるもの(後天運)があります。

ホロスコープ上に現れているネイタルチャートで示されているものは、先天運なので、生まれる前から決められていることですから、自分の意思で変えることはできません。
例えば、日本人であるとか、長女であるとか、女性であるとかそういったことが主にそうだと思います。
ただ、ホロスコープの惑星のアスペクトで、
離婚運があるとか、独立運があるというように出ている場合、先天的なものとしては確かにそういった運をもってはいるけれど、絶対に離婚運があるから離婚するというのではありません。
これこそ、後天運で変えられる運なのです。
前者を「宿命」というなら、後者が「運命」です。

トランジットやプログレスなどの未来予測で用いられる惑星の配置をあらかじめ予測することで、「運命」は変えられます。
離婚運なども、結婚する相手との相性やお互いの運気によって、先天運を変えることは可能です。

どうしても、ホロスコープにハードアスペクトが多いと「運が悪いのか」と悲観する方が多く、逆にソフトアスペクトが多いと「いい星なんだ」と思う人が多いのですが、必ずしもそうではありません。
ハードアスペクトの多い人は確かにソフトアスペクトの多い人よりも波乱万丈になることは多くはなりますし、忍耐とか努力を要するような場面に遭遇することは多いのですが、それをそれこそ「後天運」を生かして克服した場合、ソフトアスペクトの多い人が「無難な運気」に甘んじて努力をしないでいるよりもずっと大成することが多いのです。

なので、先天運がいわゆる吉角が少ないというような場合であっても悲観する必要はありません。
いろんな方を鑑定していて、やはりハードアスペクトの多い人のほうがそれを乗り越えたときの達成感が大きく、人並み以上の努力をした場合、成功する可能性が大きいのです。
もちろん、魂のレベルが人によってはあるので(これは宿命的なものですが)ハードアスペクトが多いからともう、あきらめたり腐ってしまう人も少なくはないのです。
まだまだ、ホロスコープを知らない人のほうが多いですから、自分がどんな先天運を持っているか気づかずに過ごしてしまうとどうしても、ハードアスペクトの多い人のほうが理不尽なことが多いかもしれません。

後天運でもまた、トランジットは外部からの働きかけですから、いくら外部から動きがあっても自らが動こうとしない限りは極端に運命が変わるような冥王星などの絡む時期でない限りは勝手に変わったりしませんが、プログレスは自分の内面から突き動かされるものなので、やはり生かしてほしいものです。
確かにひとつの転機を迎えた場合、もともとソフトアスペクトの多い人のほうが何かにつけ動いたら成功しやすいという利点はあるのですが、その分自分に甘くもなりがちです。ハードな星の人の場合、助けがないから自分で頑張るしかないという覚悟を持ちやすいので、その覚悟さえあれば動くことによってさらなる試練が待っているかもしれませんが、それをまた乗り越えようとする力も内在しているため、根性で頑張れるのです。

「占いは当たるのではなくあてに行くんだ」といった友人がいますが、まさにそうです。
ホロスコープそのものに良い・悪いというのはないので、自分の運命の縮図のようなものとしてとらえて、前にも書いたように、オポジションになる惑星が見つかった場合(ネイタルでも、トランジットやプログレスとの絡みでも)調停になる惑星を探すことで後天的に運勢を好転させることが可能ですし、グランドトラインなら、努力しなくてもある程度才能はあるわけですが、カイトになっている惑星を探すことで具体的に動くことが可能になり、勇気をくれます。

先天運の中でも、せっかく良いアスペクトがあっても使わなかったら宝の持ち腐れになりますし、結果的にはやはり、運命はある程度努力で変えることができるということです。

今でいえば、コロナ禍は宿命的なものでしょうけど、みんなそれぞれできることを頑張っていると思います。凹みそうにもなりますが、それでも踏ん張れるのはやはり「考える」力を持っている人間だからこそできることだと思います。


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