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12ハウスの考察 [占星学]

12ハウスに惑星が多いとどうしても皆さんあまりよいイメージを持たないと思います。
実際、確かに12ハウスにライツなど特に個人天体が多い人や、土星や天王星、冥王星などの凶星がある場合は、「運がいい」とは決して言えないところは否めないです。

ただ、活かしていくことは可能なのです。やはり考え方次第で12ハウスというのは受け止め方が変わります。

もともとが、魚座のナチュラルハウスですから「優しく、陰で人を支える」という配置です。
また先日のドラマの「俺の家の話」のことになりますが、このドラマの主人公寿一は「自分がない」と周りに言われてきた「妖精」のような人物でした。ふっといなくなって25年経って現れてまたふっと去って(この世を)しまったカゲロウみたいな人です。
なのにガタイがいいという不釣り合いなところもまた面白かったですが。
彼を観ていて「魚座か12ハウスに個人天体がある人」を想像しました。
確かに彼の人生を客観的に観れば大成することもなくあっけなく早世してしまいましたから、決して幸多い人生だったとはいいがたいですが、本人はたぶん幸せだったと思います。

12ハウスは「愛する人の幸せを願う」という「アガぺ」(神の愛)を意味するハウスなので、自分を薄くすることが自然にできるハウスです。
ただ、それが時として無責任な愛になり、与えることはできるけれど与えるだけで欲しがろうとしないので、与えられた側はその優しさがかえって残酷に思えるのです。
魚座の優しさがまさにそうです。厳しさがないので、相手はついつい甘えてしまいますが、例えば何かを求めてもすべて受け入れるだけですから、返しがないわけです。
もちろん、自我の塊のような魚座もいますがそういう人は太陽が1ハウスだったりするケースが多いのです。
他の星座であってもやはり12ハウスのライツは、自分のことも他人事みたいにしか思っていない場合があります。
でも、本人は割とそれでよく、平和なのです。
ただ、太陽星座が牡羊座とか獅子座のように表に出たいという星座の場合12ハウスにあったりすると非常にフラストレーションを感じやすいかもです。

私自身、12ハウスの木星が統治星なので、なんだか自分が損をしているみたいでいやだったのですが、この仕事には最適なのです。
1ハウスに太陽があるので自我が強くどうしてもワガママになりがちですから、こういう仕事は自分を薄くすることが非常に大事なので、自分の意見などを言ってはいけません。
相手に共感する姿勢が必要だし、自分の好き嫌いなどで判断せず、あくまでも客観的な見地に立つという、「無罰」の姿勢が大事です。
山羊座は他罰傾向が強いですから、そこを補うには12ハウスの木星は絶対に生かすべきです。
人の役に立てる仕事をすることで、あくまでもクライアントさんの幸せを願うということですから、自分ではこの星にかなり助けられています。

実際、私のところで占星学を学んでいる方には、12ハウスが強化されている方が結構います。
12ハウスにドラゴンヘッド(今世での努力の方向性)やキロンなどを持つ人や、月のある人が結構いらっしゃるので、やはりこういった「癒し」の世界に自ずと惹かれるのではないかと思います。
こういう分野に12ハウスを生かせば、非常に強みにはなります。
実際、裏方さんの仕事をされていたり医療関係などの仕事に従事している方も多く見られる配置ですし、そこに喜びを感じることができれば人としての魂レベルの高さはかなり強化されます。

なぜ12ハウスが強化されたホロスコープに生まれたかということにもきっと意味があるわけですから、自分自身を示す1ハウスの12番目という意味で、アイデンティティの確立のために必要な学びを教えてくれる尊いハウスでもあるのです。
私の木星もグランドクロスの一部ですから決してすべてがお金につながるというような生易しい配置ではありません。でも、今は木星期も過ぎ、ある意味人生の終わりに近づいていますから、こうやって人様の幸せのお手伝いができることに喜びを感じています。

1ハウスのみが強かったら傲慢で自己中なままでしたので、12ハウスで人生に柔らかみをくれているのですから、享受しなければいけませんね。

もちろん木星は吉星だからというのもありますが、土星などがあったら厳しいと思います。
でも、そういう星に生まれたことはきっとその人の強さでもあるので、確かに人よりも険しい道のりかもしれませんが、それを乗り越えられるだけの強さがあるのだと信じてほしいです。

12ハウスの考察は非常に難しいですが、その人の魂レベルを高めるためのレッスンの場、「隠れた善行」をする場だと考えるといいかもしれません。

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